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王将

第2068回・この人、この歌

〜村田英雄〜

地噺のお稽古をある方につけたのだが、そのアゲ(覚えてきたネタをわたしがみる)が先日あった。

「どうだった?お稽古してみて?」
「いやあ、難しいですね、あっちゃこっちゃわざと話を脱線させると戻れなくなります」
「じゃあ、戻らない方がいいですよ」
「え?戻らなくていいんですか?」
「戻らない方が面白いじゃない。落語のルールの中だったら、なんでもあり、ですよ。むしろ、そうでないと地噺にならない」
「でも、戻らないと終われないじゃないですか」
「じゃあ、そこで終わらせちゃえばいいし、それが嫌ならお客さんに聞いちゃえば、どこまで行ったか教えてくれる」
「とんでもないことやっているんですね…」

そうか、わたしゃ、とんでもないことをやっていたんだ笑

「地噺で気を付けることありますか?」
「リスクの覚悟と人物伝である意識」

地噺は再三申し上げますが、労多くして、の、トップでしょうね。
大変なわりには評価はされない。
わたしのように落語で競争とか評価といふのが嫌いな人間はストレスがないが、少しでもそういうことを普段から意識している人には地噺の口演はストレス以外ない。

で、わかるのは地噺口演率減少は、落語家が競争やなにかを求めている方が増えたゆえんでしょう。

あとリスクで言えば、お客さんと合わないときは最後まで挽回できない芸である覚悟。
他の古典のように初めイマイチでも後半ぐーっとお客さんがのっていく場合があるが、地噺にそれを求めてはいけない笑

地を語るってくらいだから、終始平坦なので、挽回は難しい。
合う、合わない、を即座に判断してしまう芸、これはまたリスクのなにものでもない。

なんだろう、本当にいま、地噺、ちゃちゃっとやりゃ、受けると思われる…笑

いやいや、わたしも辛酸のときを何度も迎えますよ…笑

でも仕方ないんです、それはもう「合わなかった」以外にないんですね。

こういうことをまずは入念にお稽古で申し上げます。
あと、地噺は人物描写ではなく、人物伝なんだ、といふこと。
噺に登場する人物を他の噺のように際立てることはしない。
なぜなら平坦芸だからです。
与太郎は与太郎らしくやらない。
噺の真逆をいく芸でもあります。
先日、「目黒の秋刀魚」をやったが、いま、この噺、地噺なのに、地噺っぽくやらない「目黒の秋刀魚」が多い。
しかし、それもありで、この噺に関しては、地噺だが、滑稽噺としても成立をなす噺ゆえ、噺らしくもっていけることが多いので、地噺をやらない方も結構口演されることが多い。

しかし、地噺をやる人間にしてみれば、この噺はあくまで地噺として口演したい。
だから、わたしは、殿様は殿様らしくやらない。人物描写では本来ないからです。
だからここでリスクを負う。なんだい、ありゃ、殿様口調もしないし、会話もまともにない、となる。それは、地噺を普通の滑稽噺として口演する方がこの噺は多いため、それが主流となっているからです。

でも「目黒の秋刀魚」も本来は純粋な地噺なため、もっともっと地噺らしくやるのが本来の意でもある。

だからわたしは殿様口調に重きを置いたりなどはカットした。
それは地噺が人物描写ではなく、人物伝なわけでして…。

人物描写と人物伝の違いとは?
人物描写は、殿様を殿様らしく、殿様を掘り下げて演じる。
人物伝は、ただ、目黒に行きたいって言う殿様が昔いましてね…とお客さんにお知らせするだけ。

この違いです。
だから後者は落語がお好きな方には嫌悪の的となることが多い。

だからある意味、一朝師匠や市馬師匠の「目黒の秋刀魚」は本当に素晴らしい。
地噺を滑稽噺として見事に成立させるからだ。

地噺を生業とするとその発想が生まれない。
ただ一朝師匠がおっしゃっていたのは、「こうやって滑稽噺として出来るのは、目黒の秋刀魚とたがやだけ。あとは、やっぱり地噺としてやらないと厳しいね」
とおっしゃっていた。そして続けて「たけちゃんは、目黒もたがやも、もっともっと地噺としてやる方がいい。それが本来のこの噺の核だから」
と言われた。

この一言があるから、リスクを覚悟で目黒の秋刀魚もより地噺にした。
となると、人物描写ではなく、やはり人物伝。

「紀州」。徳川吉宗を吉宗らしくではなく、吉宗ってのがね、八代将軍になったんですよ、それはね…
が地噺。

「扇の的」、与一の心持ちや演じ方はどうでもいい。与一ってのが的の前に現れたんですよ、それでね…。が地噺。

人物描写でなく人物伝。これが地噺。
少しご理解いただけたら幸いです。

で、ここまでお話すると、なるほど、地噺をやる人は少ないか…と思われると思う。

ちなみに先日の笑唄会メンバー、全員、「紀州」やりますよ笑

だって、過去、それぞれにわたし、「紀州」お稽古しましたもの笑

でもあまりあのメンバーの方でそこまで「紀州」聴かないかと思います。

ってことは…そういうことです笑

村田英雄歌唱「王将」をはじめとする人物においた歌謡曲、まさに地噺をリズムに、歌にしたものだと思います。

人物描写でなく、人物伝なのが歌の世界であります。
2017.09.07 Thursday | comments(0) | trackbacks(0)-

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2017.11.20 Monday | - | --

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