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小鳥娘

第1903回・この人、この歌

〜服部富子〜

落語ってのは、演じるものをキャスティングする。

「妾馬」の八五郎は渥美清、妹のつるは、倍賞千恵子といふことになろうか。
わたしのイメージにかなり近い。しかし、この関係だけでは、よく言えばライト、しかし、ちと軽々しくなるかもしれない。
そこでわたしは、もうひとつ「妾馬」にはイメージがある。
八五郎を服部良一、妹のつるは、服部富子だ。

とらさんのようなライトさは全く感じないがそこに服部兄弟のテイストを加えることにより、丁度良い塩梅になりそうだ。

服部良一の中で、妹の服部富子の存在はかなり大きかったんだろう。

服部富子発信で、良一が決めたこと、ってのが結構あるわけであります。

さて、今日は池袋演芸場の出演のあと、日生劇場の芝居を観に行った。
マリウス。
主演が今井翼さんって方。素晴らしかったです。
脚本演出がそれこそ山田洋次監督だ。

小団治師匠とともに。
わたしはなぜ行ったのか、わたしの師匠、正蔵が出演しているからだ。
小団治師匠は、師匠の小さん師匠と山田洋次監督はとにかく親交が深く、寅さんに小さん師匠出ているだけでなく、小さん師匠に落語も書いています。
そんなこんなで、小団治師匠からお誘いを受け、いってまいりました。

山田洋次監督ってのは、落語を愛している方ですから、山田洋次さん作品は我々咄家にはかなり勉強になるのです。

冒頭で申し上げた、「落語はキャスティングしなければならない」
これ、山田さんも同じ考えなんです。
だから、「妾馬」は、寅さんと、さくら、が一番わたしはピタリとくる。
なぜなら、山田さんが落語的な構成をして演出するもんだから、違和感なくすんなりとキャスティングできるんですね、わたしは「妾馬」に。

もう、寅さんとさくらにしただけで落語って面白いでしょ。だから再三言う、変にかえることはないんです。
冒涜に近いなあと思いますよ、山田洋次監督作品を考えてしまうと笑

今日の芝居で個人的に楽しみだったのは、柄本明さんの出演はかなり嬉しい。

落語家は落語をなめている落語家は嫌いだと思います。
柄本さんって芝居を陶酔している、芝居ってのを信じている。

落語家も落語を信じている。

マルセイユの港町を舞台にした作品だが、観ているうちに段々と、絶対出てこないですが、八五郎が、番頭が、つるが、気強いかみさんが、一八が…
いや、寅さんなら、さくらが、おいちゃんが、たこ社長が…

マルセイユの港町が舞台ってのがいい。
マドロスにマドロス酒場に、なんだかマドロス歌謡か、タンゴかジャズかはたまたカルメン…

なんだかわからないけど、わたしが嫌いじゃない世界連発で楽しかったです。

キャスティングの重要性、ってのを感じた1日でした。
さあ、妹が唄いました、兄貴の作品、歌唱・服部富子「小鳥娘」をお送りします。
2017.03.20 Monday | comments(0) | trackbacks(0)-

長崎のザボン売り

第1902回・この人、この歌

〜小畑実〜

今日の池袋演芸場、立ち上がりがいかにも昔の池袋演芸場、って感じの雰囲気のお客様で良かった。

最近の池袋は、池袋らしくない、なんとなく変わらぬ陽気さなときもあるが、やはり私の中で池袋演芸場といえば、段々陽気になってくる、まさに寄席らしいところがまた善し。

今日はそんな感じで、前座、二つ目、真打と順番に上がる中で、少しずつほぐれていき、次の色物の先生のときあたりから、普通になっていく、あのジワジワ感がたまらない味わい、それが池袋演芸場であります。

今日は久しぶりにそんな感触で高座、気持ち良かったです、池袋っぽい笑

池袋っぽいってなんですかね?

よく各寄席、「○○っぽい」って表現する。

なかで一番使用されるのが、「池袋っぽい」である笑

じゃあ、なんだい、池袋っぽいって。
それは寄席にご来場いただくとたまにそういう雰囲気にあたるときがあります。

今日みたいな雰囲気の私のポジションは、あくまで「トス」ですね。
少しくすぐっておいて、お後交代。
寄席のリレーとしては今日はわかりやすい、典型的な日でして、仕事しやすかったです。

らしさ、って大切ですねー。
小畑実らしさ、といふのを談志師匠と話したことがある。
「湯島の白梅」や「小判鮫…」ではなく、やっぱり「高原の駅よさようなら」であり、「薔薇を召しませ」であり、「花の三度笠」であり、「ロンドンの街角で」であり、「長崎の街角で」のような感じが私の特に大好きな小畑実であります。
その中にこの歌、「長崎のザボン売り」がやはり入ります。

長崎に行ったとき、ザボン漬の店をたずねたら、「お兄ちゃん、若いから知らないかもだけどね、わたしらの商売の歌があるのよ、ちょっと聴いて」って言われて、店の奥からカセットデッキを持ってきて、「長崎のザボン売り」、見事にオリジナル、小畑実で流れたのを思い出します。
2017.03.19 Sunday | comments(0) | trackbacks(0)-

ひとり静

第1901回・この人、この歌

〜渡辺はま子〜

昨日は4月からレギュラーとしてスタートする、フジテレビ「もろもろのハナシ」のナレーションを四回だけ担当するのだが、そのナレーション撮りに行ってきました。
いつの回で放送される四回なのかは未定だが、まあ、毎週観ていただければ、わたしがナレーションしている回も出てくるかと思います。
ナレーション撮りは、去年の中央公論の「一路」の朗読以来のお仕事であります。

今回はまた大変なのはテレビ画面に向かって、合わせて声を吹き込んでいかなければいけない。

まあ…是非とも聞いてやってください笑

しかしながらアテレコってのはまた楽しい。
台本を崩しながら読んでいくのもまた面白い。

一路以来、久しぶりにあの「空間」に入りました。

やっぱり落語ってのは、お客様あってのことだ、と、つくづく思いましたね。

だってナレーション撮りは、スタジオに一人。
孤独との戦いですよ、本当に。
だからお客様がいらっしゃるってのはどれだけありがたいか、です。
いわゆる落語家のネタでお客様がいなけりゃ「大きい声の一人言」笑。
でもナレーション撮りは、ストイックな作業なため、わたしのような落語家には楽しくて楽しくて仕方ない空間でもあります。

また落語家は子供のころから一人遊びが好きでした。
紙相撲、あのトントン相撲なんざ、良かったなあ、一人でやるの笑

あと、家の中に駅ほうぼうにこさえての電車ごっこね。

こういう連中が咄家なんざになるんですよ笑

そりゃ楽屋で合うわけがない、だって下手すりゃ人の話を聞かないもの笑

楽屋といふのは、お客様によく質問されるのですが、稽古とかしているのですか?
と言われる笑
そんなやつはいない、いない。

楽屋で稽古する人ってまずいないでしょう、よしんばいても百%嫌われます。

そういうところじゃない。バカを言うところなんです。

だいたい寄席の楽屋は、前方がなにをやるかによって、こっちはなにをやれるのか、高座判断になりますから、稽古のしようもないですね。

でも寄席芸人の世界って不思議なのは、絶対稽古なんざ楽屋でしないのに、場合によっては、目が笑ってないんですよ。
つまり、バカなはなしをしながらも心奥底で「えーと、今日はなにをやろうかな…」頭の中はぐるぐる回っているんですね。

むかしよくお笑い芸人さんと一緒になりましたが、お笑い芸人さんは楽屋でギリギリまでネタ合わせや稽古している。
これ、やっぱりカルチャーショックでしたよ、はじめ。
でもちゃんとおやりになっているからなるほど、本番もよどみなく素晴らしいんです。
お稽古の賜物ですね。

だから寄席芸人はせめて普段、ちゃんとお稽古をしておかねばならない。

もうひとつ、なぜあまり楽屋で落語家はお稽古をしないのか。

これ、先輩が昔、おっしゃってました。
「われわれ落語家は、高座は回収、稽古が仕事」

つまり、もう高座に上がったら稽古以上の力はじたばたしても出ないんです。

われわれ落語家は稽古が仕事なんです。
ちゃんと普段から「稽古」といふ仕事をしていないと、お客様に対して仕事放棄していることになります。

高座では稽古といふ仕事を超えられないんです。

だから稽古をしないと落語家ではないと思います。

仕事ですから。

楽屋に入ったらもう今さらじたばたしても、ちゃんと稽古をしているのか否か、で、間際にやってもお客様にはバレバレです。

だから、落語家ってのは、そう考えると、やっぱり実は孤独な仕事だと思います。

仕事の核である、稽古、一人でやるものですからね。
仕事はこれからもちゃんとしていこうと思います。

では、池袋演芸場に今から向かいます。

「ひとり静」歌唱・渡辺はま子をお送りします。

素敵な週末をお過ごしくださいー。
2017.03.18 Saturday | comments(0) | trackbacks(0)-

村の一本橋

第1900回・この人、この歌

〜二葉あき子〜

昨日のマンスリー歌謡ライブは初の夜公演でした。

といふことで、いつもと随分違う内容、初のポップス特集といふべきか。

その中で、異色、伊藤咲子さんが、ひばりさんの「長崎の蝶々さん」をお歌いになられた。

作品は米山正夫さんです。米山正夫さんといえば…と詳しく申し上げたかったのですが、ちょいといつもと雰囲気が違うので、我慢しました笑


米山正夫はうちのじいさんの9歳上だろうから、いま生きておられたら100は超えております。

中で好きなのは「村の一本橋」歌唱・二葉あき子であります。
これも米山さんかしら。ここまで記載して不安になるが、なんせ、作詞作曲に弱いわたしは心配で仕方ない笑。

米山作品ってわたし好きなんですよ。

陽気に幅広いからです。

そこに芸術性も高い。
で、わたしが好きな唄も多い。
まず美空ひばり歌唱だと「リンゴ追分」「車屋さん」「津軽のふるさと」「ロカビリー剣法」「関東春雨傘」「花笠道中」等々、ひばり作品をみるだけでも幅広い方なんですね。

近江俊郎歌唱の米山作品と言えば「南の薔薇」「山小舎の灯」、あ、「思い出は雲に似て」もそうかなあ。
チータ歌唱の「三百六十五歩のマーチ」とか「真実一路のマーチ」とか。

他にもありますよ、「森の水車」ね、ちゃーさん、つまり伊藤久男歌唱「キャラバンの太鼓」とかそうかと思うと岡本敦郎歌唱で「若人スキーヤー」、五月みどり歌唱の「お座敷ロック」等々幅広いし、また米山作品、わたし好みな唄が多い。

やっぱり尊敬できるのは、深い上に振り幅のある人。
こりゃ凄いですよ。もちろん、深く一つのものを追究していくストイックさは大変に素敵。
もちろん、深く一つのものを米山作品も追究があるのでしょうが、もし、こっちに振れたら…の、「もし」で出来た作品のレベルが高いんだから、恐れ入谷の鬼子母神であります(ちなみに円丈師匠は恐れ入谷の家具センターと言う、これ、好き笑。いまあの大変に有名な入谷の家具センターもございません)。

米山正夫作品から「村の一本橋」をお送りします。
歌唱は二葉あき子です。

この作品自体、二葉あき子といふ歌い手にイメージとしては向かないような唄ですが、ここが、米山マジックかと思います。

以前、出版したとき(よみがえる歌声/ワイズ出版)に、青木光一さんと対談したとき、青木さんが「米山正夫ってのは天才ですよ。」だから戦後すぐ、米山正夫さんに青木さんは結果的にお世話になるのですが、青木さんは世話になりたくない気持ちもあったといふ。
もちろん、当時はそんなことは言ってられない、米山さんをたよりに青木さんは終戦後、たずねたわけでして、米山正夫先生様様であったわけですが、ふと自分がある程度体ができたときにあの時、米山さんに世話にならなきゃ良かった、と思ったそうな。
これは別に恩を仇で、の意味ではない。
なぜそう思ったのか、対談時、青木さをはこうおっしゃいました。
「だって米山正夫って言ったら天才だよ?天才に義理作るとね、返しようがなくなるから困るんだ」

なるほど、これは納得の一言です。

また、こう考えた青木さんはやはり凄い人ですね。

たくさん、好きな唄があります。が、今日は外も気持ちいいし、「村の一本橋」です。
2017.03.17 Friday | comments(0) | trackbacks(0)-

寝不足なの

第1899回・この人、この歌

〜弘田三枝子〜

寝不足なの 。

早く寝なさい、とお叱りいただく。
寝ます。

しかし、まあ、3月は本当に正直、忙しい。
年度末といふのはイベントが多いのがまたこの世界、常であるが、今月はどういうわけか、いろいろなものが重なった。
その間に、ありがたくも、寄席が続きまして、1日、外に出っぱなしが続き流石にくたびれてまいりました。
4月は新年度、これまた余裕があり、年度末にバタバタと様々なものが動くのがこの世界はつきもの。

4月に静寂を取り戻すのもまたこの世界のあるあるだ。

3月といふのは、事務的作業も増える。

一人でこなしていくと、体が3つほしい笑

で、私事だが、去年、3月は私が披露目だったため、申し訳なくも、様々なイベントをお断りしていた。
で、来年は是非とも、といふお仕事が今月集中したのもあります。

そんな中、これ幸いなのは、寄席通いに慣れてきたことだ笑

ありがたいことに休席届を出さないと寄席に入れていただける機会が続いていまして、おかげさまで、寄席に通う、といふ、ある種、寄席芸人独特の「寄席通い」のエネルギーの使い方が少しずつですが、わかってまいりました。

これは勘違いしていただいてはいけないのですが、高座に慣れたわけではないです笑

わたしの緊張しいは有名で、上がってしまえば、腹を決めるのですが、上がるまでの極度な緊張といふのもは前座の頃から変わらない。

寄席に限らず、どの現場も、よく行く現場でも毎回、初回のような緊張が毎日我が身を攻めてくるのだ。

これはどうも直りそうもない。

でも、寄席通いっていふことに慣れたのは有難い。

新真打だとイマイチ寄席通いの心持ちがいまいちわからないのだ。
感覚がないので。

いまはだいぶ、何時に自宅を出て、とか、どのくらい前に入ると楽屋の自分の座るところに人がいない、とか、こういう細かいことが、寄席芸人は慣れないと、とてもエネルギー過多になるのです。

寄席のすごいところは、毎日、楽屋までの行動、ルート、基本的に上がり時間や、前座さんのわたしに対する働きなど、毎日同じパターンで繰り返すこと、ルーティングってのは本当に大切だなあ、と寄席通いの慣れが教えてくれたのです。
さあ、緊張止まぬといえば、毎月のコロムビアのマンスリーライブだ。

こちらは立ちってのがまず慣れない。しかも着物でない。

その上、あまり、途中途中に笑いを入れない方がいい。
あくまでも、ステージの歌い手さんが主人公。

わたしは刺身のツマ中のツマ。
落語のようにお笑いいただく、といふ雰囲気では、ない…笑
早く唄を聴きたくて仕方ない!
そんなお客様のニーズにお答えすべく、淡々とすすめていく、そのスタイルがまたいつもの現場とまるで違い、緊張は溶けない。

緊張が無くなった芸人は、芸人であっても、もうそれ以上は伸びない。あとは少しずつ落ちていくだけ、といふ、このお言葉が未だに忘れられない。


今日?緊張するに決まってますよ、二年ぶりに弘田三枝子さんの司会をやらせていただきます。
平山みきさんとはお初です。
落語会とはまるでお客様の様子は違います。笑いを求めているよりも、当たり前ですが、唄を求めて、歌い手さんの姿、歌声を求めております。

そこに邪魔することなく、今日も健気につとめてまいります。

さあ、ポップスの女王です、歌唱・弘田三枝子「寝不足なの」。

寝不足だよ!!笑
鏡見たら狸みたいな顔してた。
狸さん、ごめんなさい。
2017.03.16 Thursday | comments(1) | trackbacks(0)-

私のハートはストップモーション

第1898回・この人、この歌

〜桑江知子〜

最近、花粉と風邪で高座がスローなのがもどかしい。
テンポよく進める噺はいま避けています。

先日の池袋演芸場で、「袈裟御前」をやったが、我が心へのストレスがかなりかかった。

遅いんです、自分の中で、スローなんです。

スローな地噺ほど苦痛なものはない笑

不覚にも前座さんに言われた持ち時間を二分オーバーしてしまった。

やはり、テンポをかなり落とさないと、間をうまく空けないと、鼻水がたれてしまう笑

鼻水たらしながらやる落語、嫌でしょう笑

だから地噺も選ばなきゃいけないなあと思う。そういうことを気づかせてくれるのもまた寄席のありがたいところだ。

筋ものもテンポで運ぶ噺はかなりきつい。

テンポで運ぶ噺のテンポを落とすってのは、これは落語としての成立は厳しい。
かなり久しぶりに今日、カフェで「景清」を口演したが、まくら(本題に入る前のいろいろ話)をふりながらいつの間にか「景清」を選んでいたが、正直、頭は自分はまわっているな、とは思った。

なぜなら、こういう症状のときは、「景清」ならギリギリ噺には支障はないのです。

無意識に選ぶところなんざ、やはり花粉の酷さを物語る。

テンポでもっていかない噺でもあるし、またセリフがスローになったとしても、元来が平坦な噺ですから、花粉症演者には、まあ、最適に近い。

そして、花粉症のきついのはパッと考えられないのだ。
噺の途中で今日も何度も頭の中が白くなりかけた。

こんなときは、仕込み(前もってネタをふっておいて噺の後半で前ふりがいきるネタ)のある噺は、選べない。

頭がボーッとした瞬間に仕込み忘れたり、後半、いい忘れが顕著になるからだ。

「景清」は仕込みがないので安心でもある。

仕込みのメジャーなネタで言えば「時そば」、こりゃもう、こういう症状のときは、はっきり言うと最悪だ。

前半仕込み忘れたらえらいことになるし、またテンポが命、こりゃ危ない笑

テンポでいふと、「景清」のような人情噺でいふと、いけないのは、講釈ネタや浪花節系のネタ、こりゃ避けたい。
鼻がつまり、ボーッとしているときにテンポでもっていくネタは危険だ。
例えば「浜野矩随」「幾代餅」「紺屋高尾」「徂徠豆腐」あたりはテンポも命なため、まず選べない。

講釈系でない純粋な落語でも「妾馬」は絶対ダメ。テンポと仕込みのダブルパンチをくらうからだ。

本日「景清」に至るに、人情噺だからスローでよい、といふ意味だけで選んでいないわけです。

人情噺の中でもこのようにテンポやリズムが際立つ噺はやりにくい。

ジャンルごちゃまぜでベストを言えば「景清」「中村仲蔵」「替り目」「試し酒」「親子酒」等々、やっぱり酒の噺はこういう症状でもやりやすい。
テンポよりも噺の中身を問われるから。

「星野屋」はテンポの噺、でも「荒茶」ならいいだろう。
「星野屋」は地味でいいだろうが命取りであれは案外、テンポを要する。
地噺なのに「荒茶」はあまりテンポを問わない。「目黒のさんま」もいい。

それよりも「星野屋」の方がダメってのが可笑しい。
でも演者は、これ、よーくわかる笑

落語ってストップモーションがない。

「文七元結」の50両、吾妻橋のところで左官の長兵衛に貰った文七が銭を叩きつけようとする、ここをストップモーションのように見られがちだが、あれはストップモーションではない。
伝え方が難だが、「静」の中の実はテンポのところ。あれはストップモーションではなく、クローズアップコーナーだ。この50両が後々、噺の後半でキーになりますよ、お客さん、ってお伝えするためのクローズアップコーナーなのです笑
はた目にはストップモーションに見えますが笑

だから基本的には落語にストップモーションは無いのだ。

我々落語家がストップモーションってのは日本語に直したら「絶句」って意味を指すでしょうね。

これは避けたい笑

過去三回ほどありましたが…って威張る話じゃないか。

ストップモーションは我々落語家、本当に怖いと思う。

歌の方じゃ大いに流行りました、「私のハートはストップモーション」歌唱・桑江知子であります。

早くテンポある噺、やりたい!!!

花粉症よ、さらば!!といきたいところ。

スロー目でお客様にはご迷惑おかけするかもしれません、なるべくご迷惑かけないよう、精進してまいります。

今日は外せない所用があり、この時間。

午前中から今日は三ヶ所…少しだけ寝ます。

おやすみなさいませー。
2017.03.15 Wednesday | comments(1) | trackbacks(0)-

雨のオランダ坂

第1897回・この人、この歌

〜渡辺はま子〜

雨の降る寄席通いは難ではあるが風情もある。

寄席芸人なら誰しも感じる、雨の中の寄席通いの落ち着く我が身。

今日も池袋演芸場、やっぱりお客様が結構おいでになっていた。

ちなみに明日は池袋演芸場のわたしの出番はちょいと変更になりまして、2時15分上がりになりますー。

3月17日は池袋お休みいただいています。

花粉がはげしく、セリフを飲み込みがちになるのと、地噺のリズム、間が、狂いがちです。
雨が降ると少しは楽だが、またやんだあとの一気飛散を想像しただけでかゆくなる笑

この歌の終わりでないが、花粉軍にとりましては、なかなかの恵みの雨、思わず、雨の日よ、雨の日よ〜と歌いたくなる。

「雨のオランダ坂」、松竹映画ですかね?「地獄の顔」の主題歌のひとつ。

唄うおはまさんといえば、「支那の夜」、「蘇州夜曲」、「桑港のチャイナタウン」、「あゝモンテンルパの夜は更けて」あたりが出てくるが、この「雨のオランダ坂」もヒット代表のひとつ。

おはまさんの歌声は体調の良いときに聴きたい笑

雨の日ですから、皆さん、お足元などお気をつけくださいませー。
2017.03.14 Tuesday | comments(0) | trackbacks(0)-

ブルースを唄う女

第1896回・この人、この歌

〜吉岡妙子〜

美しい人の定義といふのは感じる人々で異なるのでしょう。

怖い人だなーこの人は…。これもまたそれぞれ。


イメージが付くとそれが拭えないのがまた人間であります。

特にわたしのような頭の堅い人間はなんとかしてと思うんですが、これがまたイメージが拭えなくて困る。
藤田まことが刑事で出てくれば絶対に万年平、証拠はなく、刑事の勘で捜査する。

長電話になると必ず小便したくなる。
電話中必ずメモ用紙に無意味な落書をしてしまうし。

旅行から帰ってくると、「やっぱりうちが一番だ」と台無しなことを言うし。

頑固オヤジの店のオヤジは大体商売上手。

初めて会った人が足立区民だとわかると足立区民は異常にテンションがあがるし、妙な仲間意識が生まれる。

AB型同士も同盟を組みたがる。

たけ平以外は「おれ、歌下手なんですよ」でスタートする人は大体上手い。
これは「お酒弱いんですぅ〜」な女性にも当てはまる。

芸人の世界でもイメージが根付きすぎたあるあるは多い。


地方の落語会で司会のおじさんがガンガン受けさせ、芸人がどきどきする

現金取引だと思ったら振込だと教えてもらってからのテンションが終わるまで低い芸人がいる。

咄家の打ち上げ、必ず誰かが終わるとき「あー、いい法事だった…」と言う。


楽屋から出るとき「お先に失礼します」「あれ?どこかこのあと行くの?…お稼ぎください」と言われる。

すごーく、江戸の香りを漂わせて、着物で、すっとしていると楽屋で何故か前座さんが白湯をだす。

等々…

イメージってのがある。

ブルースを唄う女性を観ると、なぜか過去を知りたくなる…
あと、なにか今まで波乱万丈の人生があったのかな、と勝手なことを考える。

林家が古典やるって聞いただけで、不安がるのも…笑

お久しぶりです。津村謙さんと「あなたと共に」が代表作でしょうか。

吉岡妙子さん歌唱の登場、「ブルースを唄う女」です。

吉岡さんのこと、船村先生に聞いておきたかった…。
とね、人は絶対に後悔するんです。

だからわたしは先人の話を聞いておきたいのです。
2017.03.13 Monday | comments(0) | trackbacks(0)-

沖のかもめ

第1895回・この人、この歌

〜松平晃〜

いま、戦前の歌を電波にのせるのはなかなか難しい。
一般の流行歌好きな方々が思っている以上に、実際にこっちの世界にいると数倍わかるのだが、本当にいま電波にのせるのが難しいんです。

わたしも何回もの働きかけや手段?笑、や、交換条件?笑、やら、あの手この手でとにかく電波にのせたい、それだけを今の時代だからこそ更にやりつづけて実現をさせていきたい、この熱烈なる情熱とウラハラに流行歌、特に戦前歌謡においては反比例となっているのを現場渦中にいると、とてもよくわかります。

そんな中、間もなくFMカオン「たけ平の楽語の時間」で実現放送するのが「松平晃/楠木繁夫/上原敏3人歌謡特集」だ。

歌はお馴染みの大ヒット曲六曲ではありますが、いま3人の特集をやろうとしたら、こりゃ正直大変だと思いますね笑

楽語の時間は約一時間、その中で半分弱でもこの特集枠が出来るのは、わたしは充分に幸せだと思います。

ただ、いまのこの世の中において、むかしむかし、歌謡曲の世界にはこんなビッグがいたんだ、それを歌声で感じていただきたい。

落語と同じで、ちゃんとそろそろ流行歌の世界も後世への伝承芸として確立をしていただきたい。

歌い手になるなら、「赤城の子守唄」も歌えます、って精神が歌謡曲流行歌の世界にもっともっと浸透していただきたい。

だってこれ当たり前のことかと思います。
だって我々落語家というのは、例えば「昔に作られたネタですから私生きてないので知りません」って「寿限無」の時に言わないでしょう。

当たり前でして、歌手になるなら、佐藤千夜子から歌えます、って歌の世界もしちゃってくれれば、もっともっといまの歌番組でお若い方でも昔の歌を歌ってくださると思うんです。
伝承芸にしちゃえばいいなあ、と。
だって佐藤千夜子の「東京行進曲」昭和四年。
落語の「子ほめ」、江戸時代ですけど、普通に落語が電波にのったらやりますでしょう笑
「東京行進曲」より「芝浜」の方が古いんだから笑

「東京行進曲」より「ぜんざい公社」の方が古い笑

なんだかよくわからないけど、落語は伝承芸になっているから、平成29年でも普通に口演して落語といふスタイルが違和感がないんです。

歌は伝承芸になってないから、「花も嵐も踏み越えて〜」って歌うと「知らない、相当古い歌じゃない?」
って必ず言われますね。
つまりこのような類いの毎回のやりとりに、いい加減、伝承芸にしていただけたら…もっともっと懐かしい歌はいまも残るはずなんです。

わたしが昔の歌にかなり執着しているのは、第一に昔の歌がスキだから、ってのは大前提ですが、よくよく考えたら、伝承芸の世界にいるからついつい熱くもなるのかな、と。

伝承芸に歌謡曲がなったら、わたしも番組で妙な駆け引き?笑、なく、毎回特集組めるんですがー。

今日、お三人の特集を収録しましたが、松平さんが「急げ幌馬車」「サーカスの唄」、楠木さんが「緑の地平線」「女の階級」、上原さんが「上海だより」「裏町人生」と、好きな方にしてみれば毎回落語で「時そば」「寿限無」「芝浜」聞いている感じになりますが、唄も同じで、ヒット曲にはヒットした理由があります。
良い唄だからヒットしたわけで、希少な特集ならば、やはり、初めての方々に「あゝ、いい唄だなあ」 と思っていただくためには、やはりお馴染み十八番を紹介するのが賢明であります。

まさかいきなり「沖のかもめ」(歌唱/松平晃)ってわけにはいかない笑

それはそれでまたいいですが、わたしは流行歌好きでもやっぱりヒット曲を聴きます。

ヒット曲でこの世界が好きになった。
このことを常に思っていないと、昔の唄は良いですよ、ってご紹介はなかなか出来ない体になってしまうんですよ。

それは落語も同じで、わかりやすい落語ってのは初めての方々には、やっぱり喜ばれますし、落語への興味の扉が確実に開きます。

こういう点からも、落語と流行歌ってのは、やはりなんとなく共通していることがあるんですねー。
2017.03.12 Sunday | comments(0) | trackbacks(0)-

FMカオン「たけ平の楽語の時間」今後の番組表

FMカオン
84、2メガヘルツ
エリア外の方はパソコン、サイマル放送で全国可聴

「たけ平の楽語の時間」
司会・林家たけ平
毎週水曜夜7時〜/再放送毎週土曜朝9時〜

◎3月15日放送
[漫才]
・獅子てんや/瀬戸わんや「何で行ったの?」
・Wけんじ「調子いい物語」
・青空千夜/一夜「おらが田舎」
※東京漫才の真髄を十八番でどうぞ堪能してください。
[歌]
〜松平晃/楠木繁夫/上原敏 なつかしの三人会!〜
・サーカスの唄(松平晃)
・緑の地平線(楠木繁夫)
・女の階級(楠木繁夫)
・裏町人生(上原敏/結城道子)
・上海だより(上原敏)
・急げ幌馬車(松平晃)

※戦前の大スター、若くしてこの世を去った、夢のヒット曲競演!


◎3月22日放送
[落語]
八代/林家正蔵
「五人廻し」「ぞろぞろ」※彦六の正蔵、お馴染みの高座、ご期待ください。
[歌]
〜戦前!歌われる女性の姿!〜
・女給の歌(羽衣歌子)
・明治一代女(新橋喜代三)
・アイルランドの娘(ディックミネ)
・南の花嫁さん(高峰三枝子)
※流行歌で見えてくる様々な女性の姿を名曲でクローズアップいたします。


◎3月29日放送
[演芸]
〜特集!お手本演芸会〜

(漫才)砂川捨丸/中村春代「あれこれ問答」
(落語)三遊亭円生「お若伊之助」
※いまの演芸の礎を築いた名人の教科書的名人芸を特集いたします。


☆FMカオン、引き続き聴いてくださいませ。
2017.03.11 Saturday | comments(0) | trackbacks(0)-

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